2022年1月25日 火曜日 山形県飽海郡遊佐町

山形県に遊佐町という場所がある。ゆざまち。正確には、山形県飽海郡遊佐町。飽海郡はあくみぐんと読む。僕自身はそこに行ったことがない。以前戸籍謄本を取得したら実の父親の本籍としてその地名が記されていた。顔も知らない父親の、名前も知らない本籍地。

母曰く、母が実父と出会ったとき彼は都立高校の生徒だったと云う。おそらく彼自身は東京育ちで、彼の父親か母親の田舎なのだろうと思う。彼はそこに何度か行ったのではないか。

まったく馴染みはないが、自分と縁のないわけでもない土地。戸籍でそこを知ったとき、良い字面だなと思った。すぐにGoogleマップで調べた。日本海に面した淋しそうな町だった。山形県の北端、隣は酒田市と県境を挟んで秋田県にかほ市。

JRの幹線が通っていて町の中心駅の周辺はほんの少し栄えている。農協や役場やスナックや居酒屋。鉄道から少し離れて国道が並走。それ以外は田畑が広がり集落が点々としている。時々思い出したように学校や簡易郵便局。典型的な田舎町のように見える。見どころと言えば、海に沿うように延々と砂浜と防風林が広がっているくらいか。

ここに行ってみたい、と強く思う。春の18きっぷで行こうか、故郷でもないが無縁でもない、誰の目も惹かない田舎町に。