2022年2月7日 月曜日 アナクロニズム

今日は家でゆっくりした。

8時過ぎに目覚めた。10時半、朝マックが終わったタイミングを見計らってマクドナルドにブランチを買いに行く。スパイシーチキンバーガーのセット(ポテトL)。しばらく品切れになっていたポテトのM・Lサイズが今日から復活するというので。いくらなんでもSでは物足りない。しかしそんなに俺はマクドナルドが好きだったのかという気分になり少し恥ずかしい。でもマクドナルドのポテトはまあ好きだな。


11時からアルバイト。マクドナルドを食べつつ。何をしていてもいいのは在宅勤務の利点である。最近眠りが浅いのかなんなのか、昼間っから眠い。目薬を差して耐える。目薬は養潤水がよいです。たまに書いているとおり暇な時間が多いアルバイトなので、昨日の散歩の投稿をするために準備をする。

仕事をしながら昨日買ったLPをひととおり聴く。安いレコードプレイヤーで本体内蔵のスピーカーなので大した音ではないけれど、針を落とすとかディスクが回るとかそういうところからして良い。どうせ大した耳ではない。

途中、少し面倒な仕事を頼まれ、景気づけにインスタントコーヒーを飲む。最近家にマキシムという韓国のインスタントコーヒーが大量に置いてある。日本にも同名のインスタントコーヒーがあるが別物。母曰く、彼の地のドラマで頻出するらしい。自分が見たことのある韓国映画では登場していた覚えはないが、単に意識していなかったから気づかなかっただけかもしれない。


アルバイトを終えてから、しばらくだらだらしたのちご飯を食べる。珍しく母の手料理。ゆでられた豚肉、海老チリ、ロールキャベツ、ほうれん草と油揚げの和え物。豚肉はポン酢やごまだれでしゃぶしゃぶのように食べる。

ご飯を食べたあと再び昨日の散歩についての投稿を進める。特殊な形態をとる予定なのでそのために必要な準備がいろいろとある。そしてメモの書き写しと脚註だけですでに5,000字を超えている。まだこれからいくらか書くものがあるのに。何が俺をそれに向かわせるのか自分でもよくわからない。でも自分が読みたいものを書いていると思う。たぶん明日か明後日くらいには公開できる気がする。

それをやっていたらくたびれたので代わりにこの日記を書く。腰も痛いし目も痛い。本当はスーパー銭湯に行きたいがその気力もない。コンピュータで文章を読んだり書いたりすることを、今後も一生やっていくのだと思うが、それに躰が耐えられる気がしない。


レコードの話をしたがアナクロな趣味としてほかに、フィルムで写真を撮ることもする。どちらも本当にさわり程度で、またマニアックに追究していく気もないけれど。それらに思っていることがある。

ひとつは、過去のテクノロジーの方が不思議に感じられるということ。レコードよりSpotifyや完全ワイヤレスイヤホンのほうが明らかに進んだ技術だし、フィルムカメラとNikon Z7についても同様だが、それらは日常のものとしているので不思議には思わない。

こんな円盤で音が鳴ることや、光がフィルムに焼き付いて化学変化で写真になることのほうが不思議で、すごい技術のように思える。半導体やセンサーやネットワークのことはよくわからないし目にすることもないが、レコードもフィルムも目に見えて、原理もなんとなく想像がつくから余計に不思議なのかもしれない。現在の技術が高度すぎるゆえにもはや不思議に感じられる段階を通り越してしまっているのかもしれない。よく発達した科学技術は魔法と見分けがつかない、という言葉を思い出す。

もうひとつ思っているのは、レコードやフィルムのほうが寿命が長い、ということ。それは技術自体もそうだし、それにまつわる機械もそうである。たとえばいま使っているカメラは90年代後半のものだが、同じ時代のデジタルカメラはいまではまったく使い物にならないだろう。

レコードもまた、プレイヤー自体は新しいが、数十年前のレコードでも保存状態さえよければ問題なく再生できる。現に昨日買ったものは1980年に発売されている。iTunesやSpotifyが数十年後に同じように使えるとは思えないし、また使えたところで意味もないだろう。

スマートフォンなんて数年前の製品がすでに古びているというのに、この息の長さはすごい。それとも2003年のThinkPadが2040年の若者たちに大受けするのか。iPhone 4が中古で取引されなんらかの趣味性を持つアイテムになるのだろうか。もしかしたらそうなのかもしれないけれど、レコードやフィルムカメラほど実用的なものとも思えない。現在から見たApple II1だってコレクション的な意味合いはあるにせよ実用性はほとんどないだろう。

少なくとも、現在のスマートフォンやデジタルカメラの延長線上にある技術、シリコンと数値が織りなす技術が隆盛を誇っているうちは、iPhone 4には実用性はないだろう。その未来におけるiPhone的なものの方がどの点を取っても良いだろうから。レコードやフィルムカメラは現在主流の技術とは異なる系譜にあるがゆえに、比較したときに長所となる点を有していて、もてはやされている。

祖父が使っていたフィルムカメラを使っている、なんて例を周りで見たこともあるけれど、祖父が使っていたiPhoneを使っている、という孫がそれなりにいるような時代にあっては、レコードから見たSpotifyのように、想像もつかないような進歩が起きているに違いない。そうなったら面白そうだなとは思う。


  1. Appleが1977年に発売したコンピュータ。